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われらの時代 (新潮文庫) 文庫 – 1963/7/2
大江 健三郎
(著)
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- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1963/7/2
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410112602X
- ISBN-13978-4101126029
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出版社より
われらの時代 | 空の怪物アグイー | 見るまえに跳べ | 洪水はわが魂に及び〔上〕 | 洪水はわが魂に及び〔下〕 | 「雨の木」を聴く女たち | |
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価格 | ¥693¥693 | ¥737¥737 | ¥781¥781 | ¥564¥564 | ¥564¥564 | ¥574¥574 |
【新潮文庫】大江健三郎 作品 | 遍在する自殺の機会に見張られながら生きてゆかざるをえない”われらの時代”。若者の性を通して閉塞状況の打破を模索した野心作。 | 六〇年安保以後の不安な状況を背景に”現代の恐怖と狂気”を描く表題作ほか「不満足」「スパルタ教育」「敬老週間」「犬の世界」など。 | 処女作「奇妙な仕事」から 3 年後の「下降生活者」まで、時代の旗手としての名声と悪評の中で、充実した歩みを始めた時期の秀作 10 編。 | 鯨と樹木の代理人大木勇魚(いさな)と、現代のノアの洪水に船出する自由航海団。明日なき人類の怒りと畏れをまるごと描いた感動の巨編! | 荒涼たる世界と人間の魂に水滴をそそぐ「雨の木」のイメージに重ねて、危機にある男女の生き死にを描いた著者会心の連作小説集。 |
死者の奢り・飼育 | 芽むしり仔撃ち | 性的人間 | われらの狂気を生き延びる道を教えよ | 個人的な体験 | ピンチランナー調書 | |
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価格 | ¥737¥737 | ¥605¥605 | ¥693¥693 | ¥880¥880 | ¥781¥781 | ¥990¥990 |
黒人兵と寒村の子供たちとの惨劇を描く「飼育」等6編。豊饒なイメージを駆使して、閉ざされた状況下の生を追究した初期作品集。〈芥川賞受賞〉 | 疫病の流行する山村に閉じこめられた非行少年たちの愛と友情にみちた共生感とその挫折。綿密な設定と新鮮なイメージで描かれた傑作。 | 青年の性の渇望と行動を大胆に描いて波紋を投じた「性的人間、政治少年の行動と心理を描いた「セヴンティーン」など問題作3編。 | おそいくる時代の狂気と、自分の内部からあらわれてくる狂気にとらわれながら、核時代を生き延びる人間の絶望感と解放の道を描く。 | 奇形に生れたわが子の死を願う青年の魂の遍歴と、絶望と背徳の日々。狂気の淵に瀕した現代人に再生の希望はあるのか?力作長編。〈新潮社文学賞受賞〉 | 地球の危機を救うべく「宇宙?」から派遣されたピンチランナー二人組!内ゲバ殺人から右翼パトロンまでをユーモラスに描く快作。 |
同時代ゲーム | 私という小説家の作り方 | 大江健三郎 作家自身を語る | 燃えあがる緑の木―第一部 「救い主」が殴られるまで― | 燃えあがる緑の木―第二部 揺れ動く― | 燃えあがる緑の木―第三部 大いなる日に― | |
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価格 | ¥1,100¥1,100 | ¥649¥649 | ¥990¥990 | ¥825¥825 | ¥737¥737 | ¥825¥825 |
四国の山奥に創建された《村=国家=小宇宙》が、大日本帝国と全面戦争に突入した!?特異な構想力が産んだ現代文学の収穫。 | 40年に及ぶ作家生活を経て、いまなお前進を続ける著者が、主要作品の創作過程と小説作法を詳細に語る「クリエイティヴな自伝」。 | 鮮烈なデビュー、障害をもつ息子との共生、震災と原発事故。ノーベル賞作家が自らの文学と人生を語り尽くす、対話による「自伝」。 | 森に伝承される奇跡の力を受け継いだ「新しいギー兄さん」。だが人々は彼を偽物と糾弾する。魂救済の根本問題を描き尽くす長編。 |
小説のたくらみ、知の楽しみ | 人生の親戚 | 日常生活の冒険 | 遅れてきた青年 | 美しいアナベル・リイ | 文学の淵を渡る | |
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価格 | ¥485¥485 | ¥485¥485 | ¥693¥693 | ¥812¥812 | ¥485¥485 | ¥649¥649 |
同時代の代表的作家が、日々の読書から、創作の現場から、かつてなく自己の生活と精神の内情をさらけだした注目の長編エッセイ。 | 悲しみ、それは人生の親戚。人はいかにその悲しみから脱け出すか。大きな悲哀を背負った女性の生涯に、魂の救いを探る長編小説。 | ナセル義勇軍参加を望んで果せず、限りない倦怠に陥った主人公──冒険の可能性なき現代を冒険的に生きようとした青年の行為と死。 | 地方の山村に生れ育ち、陛下の勇敢な兵士として死ぬはずの戦争に、遅れてしまった青年。戦後世代共通の体験を描いた半自伝的小説。 | 永遠の少女への憧れを、映画製作の夢にのせて──「おかしな老人」たちの破天荒な目論見の果ては?不敵なる大江版「ロリータ」。 | 私たちは、何を読みどう書いてきたか。半世紀を超えて小説の最前線を走り続けてきたふたりの作家が語る、文学の過去・現在・未来。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1963/7/2)
- 発売日 : 1963/7/2
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 410112602X
- ISBN-13 : 978-4101126029
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 110,009位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1935年愛媛県生まれ。東京大学仏文科卒。大学在学中の58年、「飼育」で芥川賞受賞。以降、現在まで常に現代文学をリードし続け、『万延元年のフット ボール』(谷崎潤一郎賞)、『洪水はわが魂に及び』(野間文芸賞)、『「雨の木」を聴く女たち』(読売文学賞)、『新しい人よ眼ざめよ』(大佛次郎賞)な ど数多くの賞を受賞、94年にノーベル文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 「伝える言葉」プラス (ISBN-13: 978-4022616708 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年3月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いろいろおかしなディテールはあるが、物語が強く、テーマが明確だから気にならない感じにおとしこんでいた。多少強引でもイベントとアイディアを豊富に盛り込めば作品として押し通せるんだなと思った。
2024年5月7日に日本でレビュー済み
当時非難の的にもなった冒頭は、(今どきこの本に出会う読者にはあらかじめわかっているかもしれないけれど)「セックスに耽りながら冷めてること気取った(イヤな)インテリ青年」で、小説を自分を投影しながら読んできた人には最初から読みづらいと思います(中学・高校でこれを読んだ文学青年とかってすごいと思う)。
愛人との惰性的な生活から脱出を図る主人公の物語と、享楽主義的な主人公の弟とそのバンドメンバーたちの物語という二つの主軸に、戦後日本の状況、朝鮮・アメリカとの関係、NLF、日本の学生運動、同性愛差別とその中でのアイデンティティ、戦争経験の回帰などの様々な主題が、唐突に、また時には直接的な連関ではなくアナロジーの姿を取って展開されて進行上のリズムを崩させる(対極的に主題が減っていった終盤はトントンと物語が進んでいく)ところも、主人公の行為しない性格と相まって読者をジリジリさせると思います。
ですが、物語上主人公の対極にいる行為する人間たちは、かたやどれだけ肥大な享楽を空想しても現実に血(それも経血)を見、人が死ねば怖気付く卑小で滑稽な存在であり、かたや自らの主張がペテンであることをわかっている活動家であり、それら実像がすべて見通せたところで、主人公が非行為を消極的に選んでゆるやかな絶望を生きていく最後の場面を通じて、主人公や物語に対する不快を読者のうちでも時代閉塞に対する不快に(すくなくともある程度)転化させることに成功していると思います。
利害関係やその場限りの興奮(=「勃起」)にすべてが依存しており、模範的人間も模範的行為も提示されないまま終わりますが、唯一の救いがあるとすれば、この絶望がひとつの「時代」にすぎないと断言されていることかもしれません。
依然として「時代」を脱出したのかその深淵に入り込んでしまっているのかわからない私たちにとって、(厳密にはそうではないにせよ)すべてを見て絶望した人の眼差しは、絶望を乗り越えるために解かれなければならない様々な縺れを提示してくれるのだと思います。
愛人との惰性的な生活から脱出を図る主人公の物語と、享楽主義的な主人公の弟とそのバンドメンバーたちの物語という二つの主軸に、戦後日本の状況、朝鮮・アメリカとの関係、NLF、日本の学生運動、同性愛差別とその中でのアイデンティティ、戦争経験の回帰などの様々な主題が、唐突に、また時には直接的な連関ではなくアナロジーの姿を取って展開されて進行上のリズムを崩させる(対極的に主題が減っていった終盤はトントンと物語が進んでいく)ところも、主人公の行為しない性格と相まって読者をジリジリさせると思います。
ですが、物語上主人公の対極にいる行為する人間たちは、かたやどれだけ肥大な享楽を空想しても現実に血(それも経血)を見、人が死ねば怖気付く卑小で滑稽な存在であり、かたや自らの主張がペテンであることをわかっている活動家であり、それら実像がすべて見通せたところで、主人公が非行為を消極的に選んでゆるやかな絶望を生きていく最後の場面を通じて、主人公や物語に対する不快を読者のうちでも時代閉塞に対する不快に(すくなくともある程度)転化させることに成功していると思います。
利害関係やその場限りの興奮(=「勃起」)にすべてが依存しており、模範的人間も模範的行為も提示されないまま終わりますが、唯一の救いがあるとすれば、この絶望がひとつの「時代」にすぎないと断言されていることかもしれません。
依然として「時代」を脱出したのかその深淵に入り込んでしまっているのかわからない私たちにとって、(厳密にはそうではないにせよ)すべてを見て絶望した人の眼差しは、絶望を乗り越えるために解かれなければならない様々な縺れを提示してくれるのだと思います。
2020年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代で読んでも、その苦しみがわかる部分が多い。
2014年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代日本文学を代表する傑作だと思う。なんかここ10年程、大江氏は日本国内において過少評価される傾向が進んでいないか?!
(2014年春、姪の高校入学祝いに購入。自分が中3の頃いちばん愛読していた小説)
(2014年春、姪の高校入学祝いに購入。自分が中3の頃いちばん愛読していた小説)
2022年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生理的にうけつけられない部分をさらさらと描写する。
彼らはみな、浅はかだ文化人でいようと意識して"哲学風"に物事を考える。
それに取り憑かれていく感じ。
いろんなものへの憧れと、嫉妬と、屈辱。
それが、対個人であったり、対国であったり。対異性であったり。
短めの長編だが、なかなかの内容の濃さ
彼らはみな、浅はかだ文化人でいようと意識して"哲学風"に物事を考える。
それに取り憑かれていく感じ。
いろんなものへの憧れと、嫉妬と、屈辱。
それが、対個人であったり、対国であったり。対異性であったり。
短めの長編だが、なかなかの内容の濃さ
2003年12月12日に日本でレビュー済み
あくまで情況に責任を押し付ける逃避的な主人公の行動が、そのまま、その主人公の態度と対応するものがはっきりとは書かれないまま、絶望的なかたちでこの小説は幕を閉じます。
読みながら、その対応物を形作る事を、主人公の描写だけではなく、細部にちりばめられたグロテスクともいえる具体的なモノたちによっても、喚起される不快さによって、読者は要求されることと思います。
読書に依存するということを、その読者に対して拒否する小説だと思いました。読書とは受動ではなく、あくまで主体性をともなった行動なのだということと、それだからこそ読書に体験としての意味があるということを、改めて思い知らされました。そういう意味ではやさしくない小説です。
この作品が批判された理由は案外そういうところに、あるのではないか。
読みながら、その対応物を形作る事を、主人公の描写だけではなく、細部にちりばめられたグロテスクともいえる具体的なモノたちによっても、喚起される不快さによって、読者は要求されることと思います。
読書に依存するということを、その読者に対して拒否する小説だと思いました。読書とは受動ではなく、あくまで主体性をともなった行動なのだということと、それだからこそ読書に体験としての意味があるということを、改めて思い知らされました。そういう意味ではやさしくない小説です。
この作品が批判された理由は案外そういうところに、あるのではないか。
2002年5月4日に日本でレビュー済み
゛おれにとって唯一の行動が自殺だ!″ぬう。この小説でいわれる゛われらの時代″とは、これまでのあらゆる時代に相応する。この小説が、古く時代遅れの懐かしい古典と成った時にこそ、人々は新しい世界に包まれている。一時も迅く、゛われらの時代″から飛び立とう!
2009年5月9日に日本でレビュー済み
官能的な世界の中で生きる青年の物語。
ことばのひとつひとつが鮮烈で、衝撃的でした。多くの現在話題とされている作家の言葉がとても軽く感じられます(すばらしい作家もおられますが)。
奇をてらった言葉を使わなくても、強く印象に残った文章がたくさんありました。
ことばのひとつひとつが鮮烈で、衝撃的でした。多くの現在話題とされている作家の言葉がとても軽く感じられます(すばらしい作家もおられますが)。
奇をてらった言葉を使わなくても、強く印象に残った文章がたくさんありました。